2021/05/07

スター・ウォーズのサイドストーリー:アソーカ・タノ

私は子供の頃から映画「STAR WARS」の大ファンで、映画の各三部作(スターウォーズ サーガ)はもちろんスピンオフの映画もすべて見ています。そして1年以上続く新型コロナによる巣篭もり期間に、Disney+ で配信されているアニメ版のスター・ウォーズ シリーズである「クローン・ウォーズ」と「反乱者たち」、テレビドラマ版の「マンダロリアン」をすべて鑑賞しました。

これらのシリーズをすべて鑑賞すると、映画だけでは見えなかったいろいろな部分が見えてきて、ストーリーをより深く理解することができ、スター・ウォーズの世界をより深く楽しめます。

これらの映画以外のシリーズで、スター・ウォーズの世界でとても重要な役割を果たしているのが今回の題材に上げる「アソーカ・タノ」です。今回は、このキャラを中心に捉えながらスター・ウォーズの世界を勝手に語っていきます。

単純に、個人的にどういう時代の流れだったのかということを整理したいが為に書いている記事です。よって映画はもちろんアニメシリーズなどすべてのネタバレを含みますので、これから見ようと思ってここにたどり着いてしまった奇異な人は、鑑賞後に見てください。

アソーカ・タノは惑星シリ出身のトグルータの女の子で、エピソード2「クローンの攻撃」とエピソード3「シスの復讐」の間をつなくテレビアニメ版「クローン・ウォーズ」に登場します。

彼女はアナキン・スカイウォーカーの弟子(パダワン)として登場します。そう、アナキンはクローン・ウォーズの中ではアソーカのマスターです。初めて見たとき、エピソード3でアナキンがマスターになれない、してもらえないジレンマから怒りを感じるシーンがあるので、話の中で矛盾が生じていると感じました。

このあたりはこちらの解説(Wikipedia)にある通り、ジェダイ・マスターへの昇格条件の一つに「過去にパダワンをナイトに昇格させたことがある」があり、アナキンはそれをアソーカで叶えることができなかったというのが理由になります。つまり、ジェダイ・ナイトであるアナキンはパダワンであるアソーカをジェダイ・ナイトにするために育てていたのですが、それが叶わずエピソード3ではまだジェダイ・マスターにはなれていない、ということになります。ではアナキンのパダワンはどうなったのか。

クローン・ウォーズ シリーズの終盤、アソーカはライトセーバーを返してジェダイ・オーダー(ジェダイ騎士団)を去ります。つまりこの時点で彼女はジェダイではなくなります。このあたりのストーリーは非常に悲しいのですが、これによりエピソード3や後のエピソード4以降で「ジェダイの生き残り」としてカウントはされません。

ジェダイ・オーダーを去った後、紆余曲折の末、再度共和国軍と一度行動を共にします。その時にアナキンからプレゼントとしてアソーカがかつて使っていたライトセーバーが贈られます。そして宿敵ダースモール(こいつがなぜ復活したかはクローン・ウォーズを見ればわかります)を討伐するミッションの際にあの忌々しい「オーダー66」が発令されてしまいます。アニメシリーズのクローン・ウォーズは、エピソード3までではなくてエピソード3の裏側の話まで含まれるため、「オーダー66」が発令されたときの映画では描かれていない他の場所で何が起きていたのかを知ることができます。

エピソード3で描かれたオーダー66のことの重大さは、ジェダイ達とクローン兵達が築き上げてきた信頼関係を根底から覆す、まさに青天の霹靂でありそれは、クローン・ウォーズのアニメシリーズを見たあとだとものすごく深い悲しみに包み込まれます。ただ、その前にそれに通じる事故が発生しており、シスの暗黒卿の周到な計画に驚くばかりです。

「オーダー66」に従いジェダイを反逆者としてクローン兵達が粛清する対象にアソーカも含まれました。かつては一緒に戦い死の淵を共にした信頼している部下たちに銃口を向けられるのですが、アソーカはここでは生き延びるのです。このあたりもクローズ・ウォーズを見ていただきたいのですが、「オーダー66」の指令に従わずに済んだクローン兵とともに、脱出することができますが、その際にかつての部下たちをたくさん死なせてしまうことになります。アニメ「クローン・ウォーズ」の最後のシーンで、その仲間たちのヘルメットを被せたお墓のシーンがあり、涙が止まりません。そしてアソーカは表舞台から姿を消します。

物語としてはこの後に帝国が設立されて、共和国から恐怖支配の帝国支配が銀河を覆います。クローン兵から一般の徴兵に移り変わり、暗黒面に落ちダースベーダーの名を授かったアナキン率いる帝国軍のちからが強大になっていきます。そのさなか、映画「ハン・ソロ」の中で出てきたとおり、反乱軍の種が勃興します。その反乱軍が大きくなっていく様子を描き、映画「ローグワン」につながるストーリーとしてアニメ「反乱者たち」が存在しています。

「反乱者たち」はあのオーダー66から約14年後のことで、フォースが使える少年エレンが反乱組織(スペクターズ)に加わり、そのメンバーの中にいるジェダイの生き残りの一人であるケイナンにジェダイの訓練を受けながらともに反乱軍に成長していく話です。この話のシーズン2の中で「アソーカ・タノ」が再登場します。アナキンのパダワンだったアソーカは少女でしたが、「反乱者たち」のアソーカは大人の女性となっています。14年経っているので当たり前ですが。

アソーカは「オーダー66」の粛清を逃れ、オルデランの元老議員であるベイル・オーガナのもと、反乱軍の組織化に力を貸していました。エレンが仲間として加わった、名パイロットであるヘラ・シンドゥーラ船長率いる反乱組織は徐々にこの反乱軍の中核部隊となっていきます。その過程で、アソーカはかつての師であるアナキンと対面するシーンもあります。アソーカはそこでアナキンをダークサイドから連れ戻そうと試みますが、アナキンは邪魔をするアソーカを倒そうとします。ただここの戦いは、謎の時空から現れたエレンに助けられて事なきを得ます。

この「反乱者たち」のストーリーの後半に、エレンたちを追い詰める宿敵として帝国軍スローン提督が登場します。

長年のスター・ウォーズ ファンならご存知のスローン提督です。旧三部作の後、新三部作が作成されるまでの間にスターウォーズの続編小説が出版されていますが、そのうちの一つがティモシーザーン著のスローン三部作です。これはエピソード6でジェダイとしてシスの暗黒卿を倒したルークが、帝国の残党軍達と戦いつつジェダイとしての活動を描いたスピンオフシリーズです。このシリーズの宿敵として登場するのがスローン提督で、時代設定としてはこのスローン三部作となるよりももっと前の、エピソード4より前の話である「反乱者たち」の中に登場します。

結局、帝国軍の中でも相当のやり手であるスローン提督なのですが、「反乱者たち」の最後にエレンによってハイパースペースを自由に行き来するパーギルという宇宙生物と一緒にどこかへジャンプしていってしまいます。ちなみにスローン提督は TIEディフェンダーという新しい兵器開発を主導しており、デス・スター開発を主導していたクレニックと開発競争をしていいましたが、結果的にクレニックに負けてしまいデス・スター計画が遂行されます。

反乱軍の壊滅にすんでのところまでに迫っていたスローン提督がいなくなり、反乱軍はいよいよ活気づきます。ジェダイのエレンとケイナンがいなくなったスペクターズも、反乱軍として活躍しエンドアの戦いで帝国の終わりに決定打を与えます。映画「ローグ・ワン」の中で反乱軍基地内で「シンドゥーラ船長」という呼び出しがかかっているシーンもあり、ストーリーとして「反乱者たち」から「ローグ・ワン」のつながりを見ることができます。

さて、なぜこのアソーカのストーリーの中でスローン提督の話をするかというと、エピソード6「ジェダイの帰還」の後のストーリーとなるテレビドラマシリーズ「マンダロリアン」で、アソーカ・タノ(実写!)が登場し、その際に彼女は「スローン提督」を追っていることがわかります。

「反乱者たち」の最後では、惑星ロザルを帝国軍から守ったスペクターズによって勢いついた反乱軍が、エピソード4・5・6で帝国を打倒し新共和国が樹立したあと、スペクターズのサビーヌ(マンダロリアンの少女)とアソーカが、スローン提督を連れてハイパースペースにジャンプしていなくなったエレンを探す旅にでかけます。この話の続きとして「マンダロリアン」シリーズの中でアソーカがスローンを追っている設定で登場します。たぶんスローン提督を探し出せればエレンの居場所がわかると考えているのかもしれません。

ここまでが、2021年5月現在に各シリーズに点在していたストーリーをアソーカ視点でまとめたストーリーとなります。ここまで書いて、まだまだ先があると思いませんか?

  • スローン提督をハイパースペースに連れて行ったエレンはどうなったのか
  • アソーカはスローン提督を討伐するのか
  • アソーカはかつての師、アナキンがルークによってダースベーダーからライトサイドに戻り、亡くなる時に何を感じるのか
  • そしてアソーカはルークと遭遇するのか
などなど考えるとワクワクします。